採択課題要旨

研究企画委員会

連番 000002
研究課題名 離島における医薬品の適正使用の実態と情報提供に関する研究
代表研究者 平山 匡彦
要旨 長崎県五島市をモデル地域として、薬局・薬店がなく薬剤師も存在しない二次離島(大離島の周囲に点在する小離島)において、薬剤師が定期的に直接島を訪問し、一般用医薬品の供給および医薬品全般の情報提供を約2年間継続実施することで、二次離島・僻地地域の住民のニーズに即した医薬品の適正使用のための、最適な一般用医薬品の供給方法・管理体制および情報提供のあり方について調査研究し提案することを目的とする。
設置期間 平成24年4月1日~平成26年3月31日
連番 000010
研究課題名 製薬企業の医薬品情報に関するホームページにユーザーは何を望み、何を 感じているか
代表研究者 飯久保 尚
要旨 趣旨
製薬企業の医薬品情報に関するホームページ(以下HP)は企業毎に体裁が異なり、情報を見つけにくいことをしばしば経験する。また掲載されている 情報も企業によりバラツキがある。本研究ではHPのあるべき姿(案)を医薬品情報専門薬剤師等の意見を参考に作成し、それを元にアンケートを作成。ユーザー及びHP作成側の意見を求め、結果を解析してHPのあるべき姿を提言する。※今回は先発医薬品に関する情報に限定する。

方法
医薬品情報を専門にする薬剤師(医薬品情報専門薬剤師、日本病院薬剤師 会医薬情報部委員等)に情報が充実していると考えるHPを推薦してもらい、それを元に研究班でHPのあるべき姿・方向性(研究班案)を作成する。
その上で研究班案に対するアンケート調査(Webアンケート)を、ユーザー側(薬剤師100名程度、MR100名程度)とHP作成側(企業50社程度) に行い、様々な立場に立つ共同研究者と共にHPのあるべき姿・方向性についての提言をまとめる。

期待される効果
作成された提言を元にHP作成の指針作りが進み、HPの利用性の向上・標 準化が進むことを期待される。
設置期間 平成27年4月1日~平成28年3月31日
連番 000007
研究課題名 薬剤師の医薬品情報リテラシー向上を目指した薬剤業務事例に学ぶ教材の開発
代表研究者 榊原 統子
要旨 目的
薬剤師の日常の調剤プロセス(処方せんチェック・一般調剤・服薬指導など)で生じる疑問を、医薬品情報関連資料・データベースを活用してリアルタイムに解決するために、臨場感溢れた情報リテラシー向上システムを開発することを目的とする。

計画
必要な医薬品情報へのアクセス方法、情報コンテンツの収集・評価・解析法などを提示し、動画、音声を盛り込んだ使用性の高い教材を創製する。

期待される効果
作成した教材を試験公開・評価を繰り返すことでコンテンツの質を高めることによって、最終的に薬剤師の医薬品情報リテラシーの向上へと導くシステムの構築が可能となる。
設置期間 平成26年4月1日~平成28年3月31日
連番 000015
研究課題名 自発報告データベースを用いた研究の実態とそのあり方に関する検討
代表研究者 酒井 隆全(名城大学薬学部)
要旨 課題研究の趣旨:
 国内の自発報告データベースを用いた研究を収集し、統計解析および結果の解釈の妥当性や設定された研究仮説に自発報告データベースを用いることの妥当性などの観点から分析し、望ましい研究のあり方を検討する。

課題研究の背景(必要性):
 自発報告データベースは世界各国で構築され、安全性監視活動に活用されている。日本においては、自発報告データベースは主に規制当局や製薬企業の内部で解析・活用されてきたが、平成24年より Japanese Adverse Drug Event Report database(JADER) という名称でデータセットが公開された。これにより大学の研究者や医療機関に勤務する薬剤師も利用可能となったため、この数年で、学会発表が盛んに行われている。しかしながら、自発報告データベースには、報告バイアスに影響されること、頻度を算出するための分母がないことなど、様々な限界点がある。この限界点に留意し、身長に解釈されるべきであるが、限界点に配慮されずに利用されることがある。
 これまでに JADER を用いた研究発表を網羅的に収集し、JADER がその研究目的に見合った研究材料であるか、統計解析手法は妥当であるかなどの観点から分析を行った報告はない。今後 JADER を用いた研究発表がますます盛んになっていくと予測され、その研究発表における留意点を明らかにすることは重要と考える。

課題研究の目的(期待される成果):
 課題研究の目的は、JADER を用いた研究を対象とした実態調査を行い、その問題点を明らかにすることで、JADER を用いた研究の望ましいあり方を示すことである。
 本課題研究の成果物として完成した留意点リストを公表することで、今後の JADER を用いた研究の質的向上が期待できる。また JADER を用いた研究結果を参照する側にとっても、結果を適切に解釈するためのツールとなることが期待される。
 また、医療現場において、医薬品に関するクリニカルクエスチョン(CQ)が生じる機会は非常に多い。CQ に基づいてリサーチクエスチョン(RQ)を設定し、臨床研究を実施することは、医療現場の薬剤師の重要な役割の1つである。しかしながら、臨床研究には労力を要すること、必ずしも期待した結果が得られるとは限らないことなど、RQ を設定して臨床研究を行うに至るまでに多くの障壁がある。安全性に関する RQ であれば、JADER を活用して RQ の妥当性の裏付けを行うことで、臨床研究の実施可能性を高めることができると考えられる。本課題研究により JADER の適切な活用を促進することは、医療現場における臨床研究を促進する可能性がある。
設置期間 平成 29 年 4 月 1 日~平成 30 年 3 月 31 日
連番 000005
研究課題名 災害時に対応できる OTC 医薬品集のあり方についての検討
代表研究者 鹿村 恵明
要旨 目的
災害時、被災地における支援物資として供給される OTC 医薬品の有効活用をめざす。

計画
・今後の災害時に備え、支援物資として供給するOTC医薬品をあらかじめ選定し、全国の薬剤師をはじめとする医療従事者間で共通の認識を持たせるため、災害時対応OTC医薬品集に掲載すべき内容を吟味して完成させる。また、災害時対応OTC医薬品をどこにどれだけ備蓄しておくのかについても検討する。

期待される効果
・JASDIのホームページ等で公開するとともに随時その情報を更新し、いつでも有効活用できる環境を構築することで、全国の薬剤師間で情報を共有することや製薬企業や薬剤師会等の団体と連携体制を構築し、災害発生時に備えることが期待できる。
設置期間 平成26年4月1日~平成28年3月31日
連番 000017
研究課題名 機械学習(AI)を用いた内服ステロイド薬の誤処方判定モデルの構築
代表研究者 佐藤 弘康(JA北海道厚生連 帯広厚生病院 薬剤部)
要旨 内服ステロイドは承認用量に大きな幅が存在することから、現在多くの施設で実装されている単純な用量チェックでは規格のご選択や用量の誤入力の判定が困難である。また、ステロイドはハイリスク薬であり用量過誤が発生した場合には、有害事象や離脱症状等のリスクが増大する。本研究では、プレドニゾロン錠の処方過誤を判定するモデルを機械学習により構築し、その精度および臨床応用の可能性について検討する。
設置期間 2018年4月1日~2019年3月31日
連番 000009
研究課題名 有害事象自発報告データベースを用いた高齢者の有害事象発現因子の解析
代表研究者 野口 義紘
要旨 趣旨
有害事象自発報告データベースを用いて高齢者に起こりうる有害事象シグナルを検出し、さらに医薬品ごとにシグナルを発現(変動させる)因子(併用薬剤,保有疾患など)を解明し、高齢者の適正な医薬品使用を可能にする。日本の医薬品情報教育の課題を明らかにする。

方法
有害事象自発報告データベースを使用し、高齢者の安全性シグナル(Proportional Reporting Ratios)の算出を行い、シグナルの検出された医薬品―有害事象の組み合わせを調査候補とする。さらに高齢者における対象医薬品使用による対象有害事象(Case)とその他の有害事象(Noncasc)と若年者のCaseとNoncaseのOdds比と95%信頼区間を算出し、調査候補を高齢者においてのみ有害事象がより起こりやすい組み合わせに絞り込むこととする

期待される効果
エビデンスに基づく高齢者に対して注意、または避けた方がよい薬品リストを作成することが可能になると考えられる。また、実際の高齢者は、複数の慢性疾患に罹患し、多剤併用をしていることが多いため、医薬品による有害事象の発現は、様々な因子の影響を受けることも予測されることから、有害事象発現リスクを変動させる因子の解明も必要である。これらの医薬品の探索・リスク因子の解明により、高齢の患者の罹患している疾患や併用医薬品、身体および臓器機能を総合的に考慮し、エビデンスに基づいた適正な医薬品使用の方法を提案することができると考えられる。
設置期間 平成27年4月1日~平成28年3月31日
連番 000004
研究課題名 日本および米国における薬剤師の臨床試験の論文利用に関する意識
代表研究者 中川 直人
要旨 目的
日本の医薬品情報教育の課題を明らかにする。

計画
臨床試験の論文に関する意識調査アンケートを実施して、薬剤師の臨床試験の論文を読む習慣の有無とその背景となる要因などについて調査する。

期待される効果
米国の薬剤師には臨床試験の論文を読む習慣があり、一方では日本の薬剤師にはその習慣がないものと予想しており、その習慣の差がどのように生ずるかを考えると、これまでの日本の医薬品情報学が、文献評価能力を薬学生に身につけさせるという観点を欠如していることを指摘できる。
これに加えて、薬学生および既卒者の薬剤師に対する臨床試験の論文の批判的吟味の方法を身に付けるプログラムを構築するための基礎データになりえると考える。本調査に基づいて、文献評価できるジャーナルクラブ推進プログラムを構築する。
設置期間 平成26年4月1日~平成28年3月31日
連番 000012
研究課題名 医薬品情報(DI)担当者の研究教育能力を高める研修プログラムの開発
代表研究者 橋本貴尚(仙台市医療センター仙台オープン病院 薬剤部)
要旨 趣旨
研修プログラム開発を通してDI担当者の業務実践並びに研究教育能力を高め、各施設におい
て主軸として活躍できるようにすることが目的である。開発に先立ちニーズを把握するためのアンケート調査を行う。

方法
複数年のスパンで考えているが、1年目の計画か以下に示す通りである。
(1) 宮城県病院薬剤師会会員施設(約100施設)を対象に別紙に示す内容のアンケート調査
票を送付する。
(2) (1)回収し、DI業務の現状とニーズを分析する。
(3) 分析結果並びに研究メンバーの知見を踏まえ研修プログラムを試作する。
(4) 研究協力者のパックアップ体制に基づき研修会を企画しプログラムを試行する。
(5) 1 年目の実践結果に基づき、次年度に行うアンケートの素案を試作する。

期待される効果
薬剤師のDI業務の現状と学びたいニーズに関するアンケート調査を行い、その分析結果に基づいて研修プログラムを開発する。課題研究期間を通して研究協カ者のパックアップ体制を徐々に拡充させ、様々な職域の薬剤師に知識・技術を提供できるよう規模の拡大を図っていく。その結果、(1) DI担当者の研究教育能力が高まり薬剤師業務の主軸となる、(2) 学会発表・論文執筆に意欲的になる薬剤師が増加する、(3) 施設問の情報共有が可能となる、(4)中・長期的に薬剤師全体のベースアップが図れる。
設置期間 平成 28 年 4 月 1 日~平成 29 年 3 月 31 日
連番 000011
研究課題名 医薬品情報管理の効率化を目指した普遍的な医薬品情報の共有と統合
代表研究者 谷藤 亜希子
要旨 趣旨
各医療施設のDI担当者は医薬品情報を評価し一覧表等の形式に加工している。学会発表や学会誌の検索およびアンケート調査により,各施設で普遍的に必要とされる情報の種類や作成過程等を把握し共有と統合を目指す.

方法
本研究では,これまでに報告された学術論文や学会抄録集の調査と全国病院薬剤部DI室にしてアンケート調査を行なう。

期待される効果
各施設で二次加工された医薬品情報の種類を把握し、その資料作成にかかわる一次情報の種類,収集・評価方法を把握して精査することにより,DI室業務の標準業務手順書としても位置付けられることが期待され,情報リテラシーの集約により,情報の質が担保され適切な医薬品情報管理に繋がる。
また,普遍的に必要とされる情報を共有および統合することにより,各施設のDI担当者の業務時間は効率化される。これは,医薬品情報学の観点から新たなエビデンスを創出するために必要な環境整備にも繋がり,医薬品情報学全体の発展に寄与すると考えられる.
設置期間 平成27年4月1日~平成28年3月31日