採択課題要旨

研究企画委員会

連番 000018
研究課題名 医療ビッグデータを用いた生体リズムと薬剤性有害事象との関連性についての研究
代表研究者 野口 義紘(岐阜薬科大学 実践薬学大講座 病院薬学研究室)
要旨 【目的】医薬品を適正に使用を目的としたビッグデータの時系列解析の手法を構築して、生体リズム(概年リズム/季節リズム)と薬剤性有害事象との関連性を明らかにする。
【計画】有害事象自発報告データベースの時系列データの変動要因(長期変動、季節変動ほか)を分解・解析し、薬剤性有害事象シグナルと有害事象の発現時期との関連性を解明する。
【期待される効果】1年周期で変動する生理的リズムに適応した医薬品の適正使用が可能となる。
設置期間 2018年4月1日~2019年3月31日
連番 000015
研究課題名 自発報告データベースを用いた研究の実態とそのあり方に関する検討
代表研究者 酒井 隆全(名城大学薬学部)
要旨 課題研究の趣旨:
 国内の自発報告データベースを用いた研究を収集し、統計解析および結果の解釈の妥当性や設定された研究仮説に自発報告データベースを用いることの妥当性などの観点から分析し、望ましい研究のあり方を検討する。

課題研究の背景(必要性):
 自発報告データベースは世界各国で構築され、安全性監視活動に活用されている。日本においては、自発報告データベースは主に規制当局や製薬企業の内部で解析・活用されてきたが、平成24年より Japanese Adverse Drug Event Report database(JADER) という名称でデータセットが公開された。これにより大学の研究者や医療機関に勤務する薬剤師も利用可能となったため、この数年で、学会発表が盛んに行われている。しかしながら、自発報告データベースには、報告バイアスに影響されること、頻度を算出するための分母がないことなど、様々な限界点がある。この限界点に留意し、身長に解釈されるべきであるが、限界点に配慮されずに利用されることがある。
 これまでに JADER を用いた研究発表を網羅的に収集し、JADER がその研究目的に見合った研究材料であるか、統計解析手法は妥当であるかなどの観点から分析を行った報告はない。今後 JADER を用いた研究発表がますます盛んになっていくと予測され、その研究発表における留意点を明らかにすることは重要と考える。

課題研究の目的(期待される成果):
 課題研究の目的は、JADER を用いた研究を対象とした実態調査を行い、その問題点を明らかにすることで、JADER を用いた研究の望ましいあり方を示すことである。
 本課題研究の成果物として完成した留意点リストを公表することで、今後の JADER を用いた研究の質的向上が期待できる。また JADER を用いた研究結果を参照する側にとっても、結果を適切に解釈するためのツールとなることが期待される。
 また、医療現場において、医薬品に関するクリニカルクエスチョン(CQ)が生じる機会は非常に多い。CQ に基づいてリサーチクエスチョン(RQ)を設定し、臨床研究を実施することは、医療現場の薬剤師の重要な役割の1つである。しかしながら、臨床研究には労力を要すること、必ずしも期待した結果が得られるとは限らないことなど、RQ を設定して臨床研究を行うに至るまでに多くの障壁がある。安全性に関する RQ であれば、JADER を活用して RQ の妥当性の裏付けを行うことで、臨床研究の実施可能性を高めることができると考えられる。本課題研究により JADER の適切な活用を促進することは、医療現場における臨床研究を促進する可能性がある。
設置期間 平成 29 年 4 月 1 日~平成 30 年 3 月 31 日
連番 000016
研究課題名 データマイニング手法を用いた副作用発現リスクの定量的評価モデルの開発~ガンシクロビル誘発性血小板減少症発現割合の推定モデルの構築~
代表研究者 今井俊吾(北海道大学病院薬剤部)
要旨 データマイニング手法の一つである Decision tree model を用いて、ガンシクロビルによる血小板減少症発現割合を定量的に推定可能なモデルを構築する。構築されたモデルの内的および外的妥当性を評価することで、本手法の有用性について検討する。
設置期間 2018年4月1日~2019年3月31日
連番 000017
研究課題名 機械学習(AI)を用いた内服ステロイド薬の誤処方判定モデルの構築
代表研究者 佐藤 弘康(JA北海道厚生連 帯広厚生病院 薬剤部)
要旨 内服ステロイドは承認用量に大きな幅が存在することから、現在多くの施設で実装されている単純な用量チェックでは規格のご選択や用量の誤入力の判定が困難である。また、ステロイドはハイリスク薬であり用量過誤が発生した場合には、有害事象や離脱症状等のリスクが増大する。本研究では、プレドニゾロン錠の処方過誤を判定するモデルを機械学習により構築し、その精度および臨床応用の可能性について検討する。
設置期間 2018年4月1日~2019年3月31日
連番 000011
研究課題名 医薬品情報管理の効率化を目指した普遍的な医薬品情報の共有と統合
代表研究者 谷藤 亜希子
要旨 趣旨
各医療施設のDI担当者は医薬品情報を評価し一覧表等の形式に加工している。学会発表や学会誌の検索およびアンケート調査により,各施設で普遍的に必要とされる情報の種類や作成過程等を把握し共有と統合を目指す.

方法
本研究では,これまでに報告された学術論文や学会抄録集の調査と全国病院薬剤部DI室にしてアンケート調査を行なう。

期待される効果
各施設で二次加工された医薬品情報の種類を把握し、その資料作成にかかわる一次情報の種類,収集・評価方法を把握して精査することにより,DI室業務の標準業務手順書としても位置付けられることが期待され,情報リテラシーの集約により,情報の質が担保され適切な医薬品情報管理に繋がる。
また,普遍的に必要とされる情報を共有および統合することにより,各施設のDI担当者の業務時間は効率化される。これは,医薬品情報学の観点から新たなエビデンスを創出するために必要な環境整備にも繋がり,医薬品情報学全体の発展に寄与すると考えられる.
設置期間 平成27年4月1日~平成28年3月31日