採択課題要旨
研究企画委員会
| 連番 | 000004 |
|---|---|
| 研究課題名 | 日本および米国における薬剤師の臨床試験の論文利用に関する意識 |
| 代表研究者 | 中川 直人 |
| 要旨 |
目的 日本の医薬品情報教育の課題を明らかにする。 計画 臨床試験の論文に関する意識調査アンケートを実施して、薬剤師の臨床試験の論文を読む習慣の有無とその背景となる要因などについて調査する。 期待される効果 米国の薬剤師には臨床試験の論文を読む習慣があり、一方では日本の薬剤師にはその習慣がないものと予想しており、その習慣の差がどのように生ずるかを考えると、これまでの日本の医薬品情報学が、文献評価能力を薬学生に身につけさせるという観点を欠如していることを指摘できる。 これに加えて、薬学生および既卒者の薬剤師に対する臨床試験の論文の批判的吟味の方法を身に付けるプログラムを構築するための基礎データになりえると考える。本調査に基づいて、文献評価できるジャーナルクラブ推進プログラムを構築する。 |
| 設置期間 | 平成26年4月1日~平成28年3月31日 |
| 連番 | 000009 |
|---|---|
| 研究課題名 | 有害事象自発報告データベースを用いた高齢者の有害事象発現因子の解析 |
| 代表研究者 | 野口 義紘 |
| 要旨 |
趣旨 有害事象自発報告データベースを用いて高齢者に起こりうる有害事象シグナルを検出し、さらに医薬品ごとにシグナルを発現(変動させる)因子(併用薬剤,保有疾患など)を解明し、高齢者の適正な医薬品使用を可能にする。日本の医薬品情報教育の課題を明らかにする。 方法 有害事象自発報告データベースを使用し、高齢者の安全性シグナル(Proportional Reporting Ratios)の算出を行い、シグナルの検出された医薬品―有害事象の組み合わせを調査候補とする。さらに高齢者における対象医薬品使用による対象有害事象(Case)とその他の有害事象(Noncasc)と若年者のCaseとNoncaseのOdds比と95%信頼区間を算出し、調査候補を高齢者においてのみ有害事象がより起こりやすい組み合わせに絞り込むこととする 期待される効果 エビデンスに基づく高齢者に対して注意、または避けた方がよい薬品リストを作成することが可能になると考えられる。また、実際の高齢者は、複数の慢性疾患に罹患し、多剤併用をしていることが多いため、医薬品による有害事象の発現は、様々な因子の影響を受けることも予測されることから、有害事象発現リスクを変動させる因子の解明も必要である。これらの医薬品の探索・リスク因子の解明により、高齢の患者の罹患している疾患や併用医薬品、身体および臓器機能を総合的に考慮し、エビデンスに基づいた適正な医薬品使用の方法を提案することができると考えられる。 |
| 設置期間 | 平成27年4月1日~平成28年3月31日 |
| 連番 | 000017 |
|---|---|
| 研究課題名 | 機械学習(AI)を用いた内服ステロイド薬の誤処方判定モデルの構築 |
| 代表研究者 | 佐藤 弘康(JA北海道厚生連 帯広厚生病院 薬剤部) |
| 要旨 | 内服ステロイドは承認用量に大きな幅が存在することから、現在多くの施設で実装されている単純な用量チェックでは規格のご選択や用量の誤入力の判定が困難である。また、ステロイドはハイリスク薬であり用量過誤が発生した場合には、有害事象や離脱症状等のリスクが増大する。本研究では、プレドニゾロン錠の処方過誤を判定するモデルを機械学習により構築し、その精度および臨床応用の可能性について検討する。 |
| 設置期間 | 2018年4月1日~2019年3月31日 |
| 連番 | 000005 |
|---|---|
| 研究課題名 | 災害時に対応できる OTC 医薬品集のあり方についての検討 |
| 代表研究者 | 鹿村 恵明 |
| 要旨 |
目的 災害時、被災地における支援物資として供給される OTC 医薬品の有効活用をめざす。 計画 ・今後の災害時に備え、支援物資として供給するOTC医薬品をあらかじめ選定し、全国の薬剤師をはじめとする医療従事者間で共通の認識を持たせるため、災害時対応OTC医薬品集に掲載すべき内容を吟味して完成させる。また、災害時対応OTC医薬品をどこにどれだけ備蓄しておくのかについても検討する。 期待される効果 ・JASDIのホームページ等で公開するとともに随時その情報を更新し、いつでも有効活用できる環境を構築することで、全国の薬剤師間で情報を共有することや製薬企業や薬剤師会等の団体と連携体制を構築し、災害発生時に備えることが期待できる。 |
| 設置期間 | 平成26年4月1日~平成28年3月31日 |
| 連番 | 000015 |
|---|---|
| 研究課題名 | 自発報告データベースを用いた研究の実態とそのあり方に関する検討 |
| 代表研究者 | 酒井 隆全(名城大学薬学部) |
| 要旨 |
課題研究の趣旨: 国内の自発報告データベースを用いた研究を収集し、統計解析および結果の解釈の妥当性や設定された研究仮説に自発報告データベースを用いることの妥当性などの観点から分析し、望ましい研究のあり方を検討する。 課題研究の背景(必要性): 自発報告データベースは世界各国で構築され、安全性監視活動に活用されている。日本においては、自発報告データベースは主に規制当局や製薬企業の内部で解析・活用されてきたが、平成24年より Japanese Adverse Drug Event Report database(JADER) という名称でデータセットが公開された。これにより大学の研究者や医療機関に勤務する薬剤師も利用可能となったため、この数年で、学会発表が盛んに行われている。しかしながら、自発報告データベースには、報告バイアスに影響されること、頻度を算出するための分母がないことなど、様々な限界点がある。この限界点に留意し、身長に解釈されるべきであるが、限界点に配慮されずに利用されることがある。 これまでに JADER を用いた研究発表を網羅的に収集し、JADER がその研究目的に見合った研究材料であるか、統計解析手法は妥当であるかなどの観点から分析を行った報告はない。今後 JADER を用いた研究発表がますます盛んになっていくと予測され、その研究発表における留意点を明らかにすることは重要と考える。 課題研究の目的(期待される成果): 課題研究の目的は、JADER を用いた研究を対象とした実態調査を行い、その問題点を明らかにすることで、JADER を用いた研究の望ましいあり方を示すことである。 本課題研究の成果物として完成した留意点リストを公表することで、今後の JADER を用いた研究の質的向上が期待できる。また JADER を用いた研究結果を参照する側にとっても、結果を適切に解釈するためのツールとなることが期待される。 また、医療現場において、医薬品に関するクリニカルクエスチョン(CQ)が生じる機会は非常に多い。CQ に基づいてリサーチクエスチョン(RQ)を設定し、臨床研究を実施することは、医療現場の薬剤師の重要な役割の1つである。しかしながら、臨床研究には労力を要すること、必ずしも期待した結果が得られるとは限らないことなど、RQ を設定して臨床研究を行うに至るまでに多くの障壁がある。安全性に関する RQ であれば、JADER を活用して RQ の妥当性の裏付けを行うことで、臨床研究の実施可能性を高めることができると考えられる。本課題研究により JADER の適切な活用を促進することは、医療現場における臨床研究を促進する可能性がある。 |
| 設置期間 | 平成 29 年 4 月 1 日~平成 30 年 3 月 31 日 |