採択課題要旨

研究企画委員会

連番 000012
研究課題名 医薬品情報(DI)担当者の研究教育能力を高める研修プログラムの開発
代表研究者 橋本貴尚(仙台市医療センター仙台オープン病院 薬剤部)
要旨 趣旨
研修プログラム開発を通してDI担当者の業務実践並びに研究教育能力を高め、各施設におい
て主軸として活躍できるようにすることが目的である。開発に先立ちニーズを把握するためのアンケート調査を行う。

方法
複数年のスパンで考えているが、1年目の計画か以下に示す通りである。
(1) 宮城県病院薬剤師会会員施設(約100施設)を対象に別紙に示す内容のアンケート調査
票を送付する。
(2) (1)回収し、DI業務の現状とニーズを分析する。
(3) 分析結果並びに研究メンバーの知見を踏まえ研修プログラムを試作する。
(4) 研究協力者のパックアップ体制に基づき研修会を企画しプログラムを試行する。
(5) 1 年目の実践結果に基づき、次年度に行うアンケートの素案を試作する。

期待される効果
薬剤師のDI業務の現状と学びたいニーズに関するアンケート調査を行い、その分析結果に基づいて研修プログラムを開発する。課題研究期間を通して研究協カ者のパックアップ体制を徐々に拡充させ、様々な職域の薬剤師に知識・技術を提供できるよう規模の拡大を図っていく。その結果、(1) DI担当者の研究教育能力が高まり薬剤師業務の主軸となる、(2) 学会発表・論文執筆に意欲的になる薬剤師が増加する、(3) 施設問の情報共有が可能となる、(4)中・長期的に薬剤師全体のベースアップが図れる。
設置期間 平成 28 年 4 月 1 日~平成 29 年 3 月 31 日
連番 000013
研究課題名 アスピリンの抗血小板作用に及ぼす非ステロイド性抗炎症薬の影響に関する研究:レセプトデータを用いた後ろ向きコホート研究
代表研究者 真野 泰成 (東京理科大学薬学部)
要旨 課題研究の趣旨:
レセプト(診療報酬明細書)情報などの大規模医療情報データベースを利用し、心血管イベント発症をメインアウトカムとして、アスピリンの抗血小板作用に及ぼす非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の影響について検討する。

課題研究の背景(必要性):
 心筋梗塞や脳梗塞などの予防目的で低用量アスピリンを服用している患者が、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を併用する場合、これらの相互作用に関する情報は重要である。アスピリンとオブプロフェンとの併用については、アスピリンの抗血小板作用が減弱することが知られており、双方の添付文書において注意喚起がされている。
 我々は以前、アスピリンの抗血小板作用に対する影響を検討するために血液への in vitro 添加実験を行った。その結果、NSAIDs の種類によってアスピリンとの相互作用の程度が異なることが示唆された(医療薬学,36,382-391,2010)。さらにロキソプロフェンナトリウムとの相互作用について服用後の血小板凝集能を検討するため臨床実験を行った結果、アスピリンの抗血小板作用はロキソプロフェンナトリウムにより減弱することが示唆された。(医療薬学,37,69-77,2011)。
しかし、アスピリンの抗血小板作用に及ぼす NSAIDs の影響について、心血管イベント発症をアウトカムとした研究に関する報告は殆どないのが現状である。

課題研究の目的(期待される成果):
 本研究の目的は、レセプト(診療報酬明細書)情報などの大規模医療情報データベースを利用した後ろ向きコホート研究を行い、心血管イベント発症をメインアウトカムとして、アスピリンの抗血小板作用に及ぼす NSAIDs の影響について検討することである。また、2次アウトカムとしては NSAIDs の薬剤別および併用期間における心血管イベント発症リスクについて層別解析を行う。
 レセプト情報等のデータベースを利用したビッグデータ解析により、大規模な対象患者を対象としたコホート研究が可能となるのが本研究の特徴である。
 本研究は、心筋梗塞や脳梗塞などの予防目的で低用量アスピリンを服用している患者に対する医薬品の適正使用に繋がり、抗血小板療法に関するエビデンスの1つになることが期待される。
設置期間 平成 29 年 4 月 1 日~平成 30 年 3 月 31 日
連番 000014
研究課題名 医療用添付文書記載要領および薬物相互作用ガイドライン等の改訂をふまえた新しい添付文書情報に関する調査分析
代表研究者 猪川 和朗(広島大学大学院臨床薬物治療学)
要旨 課題研究の趣旨:
「医療用医薬品添付文書記載要領」、「薬物相互作用」および「母集団薬物動態・薬力学解析」ガイドラインの改訂中に、代表的医薬品で必要十分な記載内容、不足データ等を具体的に示すことは、添付文書情報の適正充実化に資する。

課題研究の背景(必要性):
 薬物相互作用に関する情報は「薬物相互作用の検討方法について」(平成13年)により示され、薬物の吸収、分布、CYP等の薬物代謝や排泄での薬物相互作用評価の原則、臨床試験実施タイミングとデザインが示されている。約15年が経過し、海外のガイドラインの動向やトランスポーター等の科学的知見の集積をふまえ、平成25年に改定案が提示された。平成26年7月には「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン(最終案)」が公表された。また「医薬品の臨床薬物動態試験について」(平成13年)も改訂中で「母集団薬物動態・薬物学解析ガイドライン(案)」が意見募集された。
 添付文書の情報は「医療用医薬品添付文書の記載要領について」、「医療用医薬品の使用上の注意記載要領について」(平成9年)、「医療用医薬品添付文書の記載要領について」(平成9年)で示されている。約20年が経過し医療環境が変化したため「医療用医薬品添付文書の記載要領改訂案に係る意見の募集」(平成28年6月)が示され、平成28年度通知、平成31年度施行が予定されている。しかし、これら全ての改訂が整合する添付文書情報の具体的内容は示されていない。

課題研究の目的(期待される成果):
 改訂添付文書記載要領案では事項・内容が抜本的に大改訂されており、薬物相互作用や薬物動態の情報提供は多様で多岐にわたるため、特記項目(番号45、214-217、219、367など)を含めた網羅的かつ医療従事者等に有用で理解しやすい添付文書記載が求められる。そこで本課題研究では、主な薬効群と作用機序、開発時期等の観点から選定した代表的な医薬品を対象に、新旧のガイドラインおよび記載要領の比較、米国・欧州等の海外添付文書などの調査分析により、今般の各種ガイドラインおよび記載要領改訂をふまえた、規制上必要な記載内容、現行の記載内容から移行する際に不足しているデータ、さらに発展的に十分な事項・情報量を有する記載内容を明らかにし、具体的なモデルを作成して提案する。そして、審査報告書、医薬品リスク管理計画等も参考に、これらを充足するために追加で必要となる試験項目や実施方法などについても提案する。本課題研究の結果は、基本的な医薬品情報源たる新しい添付文書情報の適正充実化のモデルになるとともに、今後の医薬品開発の効率化、医薬品相互作用の防止等による適正使用の推進にも有益と考えられる。
設置期間 平成 29 年 4 月 1 日~平成 30 年 3 月 31 日
連番 000007
研究課題名 薬剤師の医薬品情報リテラシー向上を目指した薬剤業務事例に学ぶ教材の開発
代表研究者 榊原 統子
要旨 目的
薬剤師の日常の調剤プロセス(処方せんチェック・一般調剤・服薬指導など)で生じる疑問を、医薬品情報関連資料・データベースを活用してリアルタイムに解決するために、臨場感溢れた情報リテラシー向上システムを開発することを目的とする。

計画
必要な医薬品情報へのアクセス方法、情報コンテンツの収集・評価・解析法などを提示し、動画、音声を盛り込んだ使用性の高い教材を創製する。

期待される効果
作成した教材を試験公開・評価を繰り返すことでコンテンツの質を高めることによって、最終的に薬剤師の医薬品情報リテラシーの向上へと導くシステムの構築が可能となる。
設置期間 平成26年4月1日~平成28年3月31日
連番 000008
研究課題名 FAERS を用いた自発報告データベースにおける周産期の有害事象報告の現状と分析
代表研究者 酒井 隆全
要旨 目的
妊娠中の医薬品副作用による胎児・新生児、母体に発生する有害事象の特徴を明らかにする。

計画
FDA が収集している副作用自発報告システム(AERS)から、妊娠中における有害事象の情報を抽出し、「母体の有害事象」と「胎児・新生児の有害事象」に振り分ける。その有害事象の特徴や患者背景との関連性を解析する。

期待される効果
妊娠中の薬剤使用による有害事象が明らかとなり医薬品適正使用につながる。
設置期間 平成26年4月1日~平成28年3月31日